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【MLC】心に森を携えるということ

ーMINAKAMI LOCAL CREATORS CREATIVE ACTION. by GENRYUー


 みなかみにゆかりのあるクリエイターたちが起こすクリエイティブアクションはコロナ禍にて苦境に立たされた地元飲食店支援の取り組みとして始まったが、ひとつだけ飲食店ではないお店が混じっている。


SUMIKA -澄み香-


利根川源流の森で採集した草木を蒸留してつくる和精油のブランドだ。

コロナ禍に加え、昨年12月に襲った未曾有の大雪で軒先にあった蒸留器が損壊。精油の製造ができない状態が続いたが、森の芽吹きに合わせて新しい設備を入れ、夏の需要期に向けた製造を再開した。


つくり手である山口長士郎さんはいう。


「人間の世界が大変なことになってても、森はいつも通りの平常運転です。笑」


人間社会での焦りや不安や心配は森の中では大きな意味を持たず、ましてやそれを補って余りあるゆとりや癒しや安心がある。偉大なる母性のように。


『SUMIKA -澄み香-』の自宅を兼ねた工房はみなかみの山の奥にある。電気こそ通っているものの水道は昔に掘った井戸を使用しスマホは圏外だ。何十年と森の草木に寄り添い、季節ごとに変わる景色と変わらない森の光と空気の中で育ち、山口さんはいまもここで暮らしている。


「精油づくりをはじめたのはふとしたことがきっかけでした。サラリーマン時代の友人と見様見真似で蒸留を行ってみたところ、精油一滴の香りに衝撃を受けました。これ、森だ、って。」


都会の喧騒の中に居ても、オフィスのデスクに居ても、この香り一つでいつどこからでも深い森にアクセスできる。まるで魔法のようだと感じたという。


まさに、古代エジプト時代においても精油は人ならざるものと繋がる術や儀式の重要な道具として用いられてきたといわれている。山口さんが“魔法のよう”と形容するのはあながち間違っていないのだろう。


SUMIKAのアロマオイルはいまも原始に近いプロセスで製造されている。深い森の中で、薪を燃料にし、山の湧き水で、電気やガスを極力使わずに蒸留する。薪では火力が安定しないため、作業には手間も暇も通常の数倍かかる。

そこまでする意味はないのかもしれないが、森の力には現代社会の合理性では測りきれない何かがある。その何かを大切にしたいと考えているという。


スピリチュアルで非科学的でぶっ飛んでるよなって聞こえるかもしれませんが、いまや忘れられてしまった人間本来のある種の身体感覚や生命力の感度を高める力が、森にはあるんじゃないかと思うんですよね。



『SUMIKA -澄み香-』のクリエイターズ Tシャツにはこのような言葉が書かれている。



That man is the richest whose pleasures are the cheapest.

ーお金をかけない人生の楽しみを知っている者こそが、最も豊かである。ー



今から約170年前に「森の生活」という著書の中でシンプルライフの尊さを書いた思想家ソローの言葉だ。森の中で暮らし、森の生命と向き合うこの精油のつくり手にぴったりの言葉であると思う。


「蒸留機の密閉度を甘くしてTシャツで蓋をするとものすごい良い香りのシャツになるので(精油分が全てシャツに付くので当然ですが)、今度試してみたいと思います。笑」


と、遊び心満載の笑顔で山口さんは語っていた。


 

当Tシャツ1枚販売につき1,000円をSUMIKA -澄み香-」へ支援金として還元。

MINAKAMI LOCAL CREATORS CREATIVE ACTION.

「SUMIKA -澄み香-」クリエイターズTシャツ|4,500円(税込)


ミナカミローカルクリエイターズの梶原七都が、人と自然界の調和をテーマにみなかみの森の空気感にのせて描いた作品。実際のもみの木の枝にインクを付けて書かれた文字には森の力となる何かが宿っている。


👇👇クリエイターズTシャツの詳細を見るにはこちらをタップ👇👇


■デザイン意図

 「心に森を携える」をテーマに、みなかみの森の葉っぱで作った束(スワッグ)の周囲に、実際の蒸留で使用するモミの小枝で書いたソローの言葉をあしらいました。杉の葉やヒバなどの香りが心地よく広がるみなかみの深い森の鼓動を感じることができるデザインです。



■クリエイター紹介

◎梶原七都:都内で活動するフリーランスのアートディレクター兼グラフィックデザイナー。みなかみの森と川の音が好き。



 

●Information


 SUMIKA -澄み香-

 群馬県利根郡みなかみ町内(ECのみ)



下記をクリックすると「SUMIKA -澄み香-」Instagramページへ遷移します


山口さんはGENRYU内で自身の森の暮らしを記す「源流コラム」を

不定期連載中。こちらも是非ご覧ください👇


 

文・編集:Kengo Shibusawa(GENRYU)















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