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【連載コラム】野性の嗜好:獣肉をたくさんもらったらどうする? その①



山に住んでいると、もらいものをすることが多い。

昨年は特に、猪や鹿、熊肉をよくいただいた。


狩猟で取れた肉は、大抵の場合おおきなかたまりでもらうことになる。

脚だけもらうこともあれば、一頭まるごともらう場合もある。


熊の手も借りたい

煮込みにする場合はある程度のサイズに解体した段階で簡易かまどで湯を沸かして一度にこぼす。血抜きがうまくいっていれば不要な工程かもしれない。


簡易かまどは年間を通じて役に立つが消耗品だ

解体→加工→調理&保存という一連のプロセスが連続的に発生するというのは現代では実感することが少ないが、通史的に見れば人類としてごく普通に直面する問題だ。面倒な時もあるが、山暮らしのちょっとした煩いと捉え、肉を大切に考えればそれほど苦にはならない。当然、量によるが。


食べきることを前提とした上で最も大きな課題となるのは「保存」段階だ。冷凍庫のスペースには限りがある。取りうる選択肢は二つ。


①一度の食事における肉の消費量を増やす


②冷蔵庫、冷凍庫に頼らず短期(中期)保存の効く加工or調理方法を検討する


そうなると調理の完成形は大体決まってくる。我が家では煮込みが一番多いのだが、多分どの家庭でも同じなのでここでは別のレシピを紹介したい。



手間いらず&一度にたくさん食べるなら「ミートローフ」


ビールから僕の適当感が伝われば幸いです

ミートローフとはざっくりいうと手で成形せずに皿で焼くハンバーグだ。そもそもなぜ成形がマストになったのか。皿があれば肉汁は閉じ込められる。手間を省いても旨味は逃がさないのだ。


【材料(だいたい)】

・猪肉1㎏

・玉ねぎ1個

・人参1本

・牛乳(我が家は山羊乳)200-250mlくらい

・パン粉 200㎖の牛乳に浸してベチョベチョになるくらい

・ブラックペッパー 好きなだけ

・塩 10g


【手順(だいたい)】

・人参と玉ねぎはみじん切りにして別途炒めておく

・フードプロセッサーの能力次第だが、適当なサイズまで猪肉を細かくカットしたうえでひき肉にする

・パン粉は牛乳にひたしておく

・全て混ぜて写真のような耐熱容器へ

・オーブンで焼く。180度で50分焼く。最初の20分くらいはアルミホイルをかけておくと表面が焦げにくくてきれいに仕上がる



豚肉とくらべ脂が少ない猪ひき肉だと、おどろくほど肉の旨味を堪能できる。

加工肉というよりむしろ、超食べやすくなった赤身肉という感覚に近い。


そこでもし「ややオイリー感に欠けるかな」

という人に是非試してもらいたい食べ方がある。

それはたくみの里の塩ヨーグルト。サワークリーム的なやつだ。

豊楽館で売っているが通販でも買える。


乳脂肪分と猪の赤身のマリアージュは大変すばらしく、不足していると思っていた脂感に加え、ほのかな酸味が食欲を一瞬で回復させる。


とりあえずだまされたとおもって作ってみて欲しいレベルに美味いのだ。




次回「獣肉をたくさんもらったら その②」はソーセージを予定しております。


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